住み心地のよい家づくりには知っておきたい基礎知識!高気密・高断熱の重要性

公開日:2022/03/01   最終更新日:2022/03/28


近年、マイホームづくりの際によく聞く高気密・高断熱の家。「住み心地がよい」「光熱費が安くあげられる」などといった言葉が囁かれていますが、高気密・高断熱の家とは具体的にどんなメリットがあるのでしょうか?この記事では、注文住宅における高気密・高断熱の重要性を紹介します。マイホームづくりをする方は、ぜひ参考にしてください。

注文住宅の高気密・高断熱とは?

高気密・高断熱な家とは、以下のような家を指します。

■高気密な住宅について

その名のとおり、気密性の高い住宅のことです。どの家でも天井や床、窓枠や壁などに微細な隙間があり、そこから外気が出入りしています。それは熟練した職人が施工しても、致し方ないことです。

しかし、隙間があることで「夏は暑く、冬は寒い家」が完成してしまうのです。高気密な家では、気密テープや特殊な断熱材・建築部材で隙間を丁寧に埋めていき、可能な限り隙間のない家を造っていきます。その結果、外気に左右されず室内の温度をキープできる家となるのです。

■高断熱な家について

こちらも名前が指すとおり、断熱性の高い住宅を指します。季節の変化による暑さや寒さは、窓や壁から室内へと伝わってきます。

そこで、断熱性の高いサッシや外壁と内壁の間に入れられる断熱材などを駆使して、外気の影響を受けずに室内の温度をキープできるのが高断熱な家です。よって、冷暖房が必須となる季節でも、それほど室温が変わらないため光熱費を安く抑えられます。

高気密・高断熱住宅のメリット

高気密・高断熱住宅がどんなものなのか分かってきたところで、今度は高気密・高断熱住宅のメリットについて見ていきましょう。

■ヒートショックを予防できる

冬場に多い死亡事故の1つに、ヒートショックがあります。ヒートショックとは、寒い場所から浴室など暖かい場所へ移動することで急激に温度が上昇し、心臓に負担がかかり心筋梗塞などを起こす状態を指します。

2011年の時点で、東京都健康長寿医療センター研究所より「ヒートショックの死亡事故は、交通事故による死亡数より多い」と発表されており、ヒートショックは深刻な社会問題となっているようです。しかし、高気密・高断熱な住宅ならどの部屋も暖かいため、ヒートショックを予防できるのです。

1年中快適に過ごせる

暑さや寒さといったストレスを感じにくくなるので、季節を問わず1年中快適に過ごせます。冷暖房も効率よく使えるのはもちろん、どの部屋も均一な温度に保たれるため「リビングを出て台所に立つと、寒くて仕方がない」「トイレが寒いからつい我慢してしまう」といった、冬場にありがちなトラブルも起きません。

■防音効果もあるから安心!

高気密・高断熱住宅には、外気だけでなく音もシャットアウトする機能があります。家が線路沿いにある、または近くに保育園や学校がある、車がよく通る……など、環境が原因による騒音で悩まされる人は少なくありません。気密性を高めることで、外部から入ってくる音を遮断できるのは、静かに過ごしたい人にとって大きなメリットだといえるでしょう。

断熱工法にはどんな種類があるの?

一口に高気密・高断熱住宅といっても、その工法には複数のパターンがあります。ここからは、具体的な断熱工法の種類について紹介します。

■内断熱と外断熱の2パターン

木造住宅での断熱工法は、主に内断熱と外断熱の2パターンとなるようです。内断熱は、天井の上や外壁と内壁の間、そして床下など「隙間部分」に断熱材を充填していく工法です。そして、外断熱は構造材の外側を断熱材で包む工法となります。

■コスト・メリットについて

費用面で見ると断熱材を充填する内断熱工法の方が、施工費も材料費も安くなります。しかしメリットのみで考えると、外断熱工法のほうが優れているといえるでしょう。

なぜなら、家全体を包むことでより断熱性が高くなり、なおかつ気密性も向上するからです。しかし、どちらにもそれぞれメリットがあるため、最近では同じ家の中で内断熱と外断熱を併用する人も増えています。

■リフォームでも断熱は可能

気密性まではカバーできませんが、断熱性自体はリフォームでも向上させられます。具体的には、窓を断熱性の高いサッシに交換したり、断熱材を壁や天井の隙間へ充填したりする方法があるのです。よって、実際に暮らし始めてから暑さや寒さを感じたら、断熱性を高めるためにリフォームを検討するのもよいでしょう。

 

高気密・高断熱の重要性について、紹介しました。この他にも、外気がムダに流入しないため洗濯物が乾きやすかったり、「24時間換気システム」の設置が改正建築基準法により義務付けられたことから結露が起きにくかったりするといった、さまざまなメリットが高気密・高断熱住宅にはあります。実際に住んでみた人からも「外はマイナス2℃なのに、室内は22℃もある」といった報告があり、快適な生活ぶりがうかがえます。

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