快適な家づくりのために、注文住宅でこだわるべき性能とは
新築の戸建てを購入する際に2つの方法があります。一つはオーダーして建てる注文住宅、もう一つは建築中や完成している住宅を購入する建売住宅です。大きな買い物だけに、簡単に決めることは難しいうえどのように選ぶべきか悩ましいものです。ここでは、注文住宅のメリット・デメリットやこだわるべき点、施工の流れについて紹介します。
注文住宅を建てるメリット・デメリット
自分の理想や希望を活かして建てる注文住宅ですが、最初から最後まで設計する場合とある程度決まった設備から選ぶ場合などさまざまです。あらかじめ知っておきたい注文住宅のメリット・デメリットについて、見ていきましょう。
■メリット
・自由度の高さ
法律の範囲内であれば、どのような住宅でも建築可能です。既成の住宅で満足できなかった部分も、自分が設計に関わることによって解消されるでしょう。そのプロセスを経て完成する家は、自分たちだけのオリジナルで世界に一つしかないものです。
・過程の確認
家が建つプロセスを実際に確認できるため、欠陥住宅や手抜き工事への不安が軽減できます。プロでなければ施工が適切に行われているか見極めるのは難しいですが、気になることはあればその都度確認できるので安心です。作り手や職人にとっても、施主が見ていることでいい緊張感をもって作業に取り組むことができます。
・こだわりにメリハリをつける
部分ごとに予算を調整できるので、トイレにはこだわりたいけれどキッチンはそれほどこだわりがない場合には、どちらかに予算をかけてもう一方の予算を低くするなど可能です。こだわりつつ予算を超えない工夫ができます。
■デメリット
・コストが高くなる
こだわり部分のメリハリをつけたとしても、建売よりはコストが高くなる傾向にあります。時間がかかれば人件費もかかるので、その分も加味して予算を建てる必要があるようです。
・購入前に実物が確認できない
建売住宅の場合、実物を見てから購入できますが、注文住宅は完成するまで確認ができません。モデルルームや設計図などから想像を膨らませて設計する必要があります。
・入居までの時間がかかる
契約から着工までに時間がかかり、一般的には完成まで短くても一年はかかります。土地を探すところから始める場合には2~3年かかることもあるようです。忙しい人や急いで引っ越しをする必要がある場合には避けたほうがいいかもしれません。
注文住宅でこだわるべき性能とは?
注文住宅で見た目以外にこだわるべきなのが性能です。性能と暮らしやすさは密接な関係にあるため、居心地のよい家にするためにこだわるべき点について、見ていきましょう。
■換気
人がその空間を快適と感じる要素の一つに、汚れていない空気が挙げられます。適切に換気が行われていない家では、カビの胞子やダニの死骸、有害化学物質などさまざまな原因で空気が汚れてしまいます。
空気の汚れはアレルギー疾患につながることもあるようです。換気が適切でない場合、空中の酸素濃度が低下し、集中力が低下するだけでなく、疲れやだるさ、めまいなどを引き起こすこともあります。
注文住宅であれば、断熱性と気密性に見合った換気計画が立てられます。
■断熱性
室内の環境を整えるために、適切な室温を保つことも重要です。そのためには、断熱性を高めることで、外からの熱の出入りを抑えます。窓の近くに木を植えたり、縁側や土間を設置して外気温との緩衝地帯をつくったりすることで、適切な室温コントロールが可能となります。
■調湿性
室温が同じ場合、湿度が高いとより蒸し暑く不快に感じてしまうでしょう。日本の気候は暑い時期に多湿になり、寒い時期に乾燥するので、断熱性の効果を高めるために室内の湿度を調節することが大切です。
注文住宅の場合、建材にこだわることで、エアコンなどの機械設備だけでは補えない快適さを得ることができます。
注文住宅の施工の流れ
契約が済んだ段階から本格的に施工が開始します。おおまかな施工の流れについて見ていきましょう。
■1か月目:着工
地鎮祭を行った後、必要であれば地盤改良工事を行います。
■2か月目:基礎工事
鉄筋を組み、基礎となるコンクリートを流し込む作業を行います。外部の配管工事などを終えて、土台がしっかりと固まったら基礎工事は終了です。
■3か月目:上棟式
足場を組んだ後、住まいの骨格を立ち上げる「建て方」という工程を行い、屋根工事に移ります。
■4か月目:屋根・外壁・外装工事
外壁材を取り付ける工事と屋根を組み立てる工事を同時進行で行います。
■5か月目:内装工事・仕上げ
床や階段、建具などを仕上げ、キッチンやバスを取り付けるようです。玄関のアプローチや駐車スペースも同時に仕上げます。
■6か月目:引き渡し
竣工検査を行い、合格したら引き渡しとなります。
注文住宅は時間もお金もかかる壮大な計画ですが、自分の理想のマイホームを実現できる素晴らしいものです。メリットやデメリットを理解したうえで、快適でくつろげる我が家を手に入れましょう。この記事を参考に、理想のマイホームを建てられるとよいですね。